愛知県は製造業の割合が県内総生産の4割近くを占め、製造品出荷額等が41年連続※で全国一である。
技能五輪全国大会では14年連続※で最優秀選手団賞を取得するなど、質・量ともに日本一のモノづくり技術者・技能者を有している。
「第4次産業革命」の時代に入り自らの専門分野を基幹としつつ、他分野も総合的に学び、全体を俯瞰しながら専門性を発揮できる多能な人材が求められている。
(※2018年現在)
敷地は、東山通から平和公園にかけて約12mの高低差がある地形を活かし、3段階のレベルに設定されている。
特に、東山通沿いは、従前の擁壁がなくなり植栽が施され、通りから建物南側屋外の「コミュニケーションプラザ」や建物を南北に貫く「テクノモール」におけるモノづくり活動を垣間見ることができるようになり、歩行者環境の魅力が大きく向上した。
モノづくりの現場では専門化・分業化が進んでいる。しかし本来モノづくりには分野を超えた協働が必要である。
各学科を一棟にまとめた学び舎には、新たな出会いと交流を生む空間が数多く存在する。それらが学科の枠を超えた豊かな人間関係を築く舞台となる。
「モノづくりを学ぶ生徒たちに自分たちのモノづくりに掛ける想いを伝えたい」職人一人ひとりがそう思った。
そんな思いが大実習室のピカピカに磨かれたコンクリート打放しの床からも伝わってくる。
壁はコンクリート打放し、教室棟や実習棟の天井は、配管や配線など本来であれば隠すところを見えるようにした。
エレベーターや玄関の自動ドアもスケルトンとして、仕組みがわかるようになっている。
生徒たちは普段から建物の仕組みに触れることで建築そのものが生きた教材として活用されている。