DESIGN STORY

グランドプレシア芝浦

マンションの新しい形

  • 統一感のあるファサード

    ロの字型の中廊下と住戸というシンプルな平面構成で、東西に長辺のバルコニーを設けている。マンションのバルコニーには戸境壁、雨樋、室外機、避難はしご、手摺など多くの要素が現れてくるが、形状と仕上の異なる2タイプのGRC製マリオンをファサードに散りばめることで、それらの要素を背後に整理して配置し、統一感のあるファサードと日射を遮る環境負荷低減を実現している。

  • 芝浦らしいデザインと
    街並みへの調和

    運河に囲まれて海に近いこの地域は、古くは海辺の美しい景色が広がり、ウォーターフロントとして発展してきた。幅の異なる2つのマリオンを一組として、階ごとにその配置を互い違いにずらすことで芝浦という土地を想起させる波のイメージをリズミカルに表現している。旧海岸通りからはバッファーゾーンを設け、立体的な植栽のランドスケープとすることで街並みへの調和を図っている。マンションのアプローチは壁と緑を巧みに配し、雁行する形とすることでプライベート感を演出し、店舗前のテラスは開放的にすることで地域の人々の憩いの場を両立している。

存在感のあるマリオンと
テクスチャー

柱、戸境壁、樋の前面には150mm厚のマリオンを床に載せ、柱間の戸境壁前面には奥行430mmのマリオンをスラブ小口に取付けている。マリオンの裏には黒いガラス手摺を通し、外壁は灰色塗装とし、スラブの出による陰影を作り出し、マリオンの背景をブラックアウトさせている。150mm厚のマリオンはライムストーン調のベージュ色、430mm厚のマリオンは大理石調の濃茶色とし、目地の無い石の量塊のような存在感のある新たな建築のファサードを実現した。

クライアントの思いを形に

クライアントである九州旅客鉄道株式会社が東京で初めて手掛ける新築マンションのプロジェクトであった。共用部には地元の伝統工芸品である博多織のスクリーンやアートワークを配置し、九州とのつながりを感じられる温かみのある設えとしている。ラウンジにある博多織スクリーンは作家である荒木希代氏と共に織模様や染色のデザイン検討を重ね、手機による繊細で透明感のあるスクリーンが完成した。共用廊下にある博多織アートワークは協和織工場にて製作の機械織による重厚な織模様が出迎えてくれる。また、ラウンジから続く石庭には日常のセミプライベート空間で楽しめるアートというコンセプトで設計者がデザインした石のオブジェ(砂時計)を製作した。

  • 時の移り変わりを感じる
    インテリア

    照明計画としてはエントランスにサーカディアンリズム(体内時計)を意識した朝日を再現する照明器具をシーン設定に組み込み、一日の生活の変化を演出している。また、基準階廊下は間接照明を中心として、照度を絞った落ち着いた雰囲気としている。時間軸を加えた共用部のシークエンスが住まう人に緩やかで自然な外と内の繋がりをもたらしている。

竣工年
2018年
所在地
東京都港区
延床面積
11,800m²
階数
地上16階
構造
RC

グランドプレシア芝浦

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