DESIGN STORY

石岡市庁舎

まちを感じる
ダイナミックなフォルム

  • まちを体現する

    石岡市は古く常陸国の中心地である国府があったとされ、常陸風土記にある「常世の国」と称される古代日本の豊かな国のイメージがある。また、八郷地域に代表される自然豊かな地域性を持っており、日本百名山である筑波山が地域のシンボルとなっている。石岡の豊かな歴史性や筑波山のある自然豊かな地域性に呼応した、まちの景となるダイナミックなシルエットの庁舎をつくり出し、石岡の「まちを体現する」庁舎を目指した。

まちを見守る

東日本大震災による被災した経験を踏まえた、想定外の災害も想定した、災害に強いLCB庁舎を目指した。本計画はLCB庁舎(LCB=Life Continuity Building庁舎とは、BCPの思想をさらに進め、その後の人命、災害活動やその生活も継続可能な、安全を超えた安心な建物を実現する庁舎)として、地震対策のみならず火災や水害対策なども想定した「建物の更なる安全性の確保」、内装材などの落下に対応し2次被害への対策も万全とした「建物内部の安全性の確保」、インフラが遮断されても自活可能とする「ライフラインの自主確保」、災害時に速やかに災害活動拠点としての機能転換が可能な「災害活動機能の確保」を実現した。
また、敷地の高低差を利用した多段配置の免震構造と、大空間となる執務室にプレストレストコンクリートの逆梁構造を採用し、床下空調による無天井化と天井内マシンレス化を実現することで、災害に備えた庁舎とした。

まちを感じる

議場や多目的ホールは、木ハニカムユニット架構によるシンボリックなフォルムの大空間とすると共に、屋根と木ルーバーなどの木質化を図り、石岡の自然豊かな「まちを感じる」庁舎を実現した。木ハニカムユニット架構は、一般的な安価な木材を使用し、フランジを杉製材、ウェブを構造用合板とした断面構成によるハニカム状の木屋根架構とした。併せて、地域産材の吸音壁となったリブ断面ルーバーや国産広葉樹ランダムフローリングにより、積極的な木質化を図り、木材の質感を通して豊かな石岡の自然を感じられる、石岡らしい空間を実現した。

  • まちをリードする

    石岡市の気候風土を活かした省エネルギー手法を積極的に取り組み、環境性能最高クラス(CASBEE認証Sランク)の先進的なエコ庁舎とし、環境への取り組みの姿勢の模範となる「まちをリードする」庁舎を実現した。特に、大屋根面には、「屋根型ソーラーシステム」を採用。ダブル折板による屋根裏換気も兼ねた空気層を確保し、太陽熱により暖められた空気層の熱を効率的に空調エネルギーに利用し、デシカント空調機や外調機に外気を送り、外気による負荷の大幅な低減が可能となった。

竣工年
2019年
所在地
茨城県石岡市
延床面積
10,852m²
階数
地上4階
構造
RC/一部S

石岡市庁舎

石岡市庁舎の実績詳細を
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