DESIGN STORY

NHK奈良放送局

地域と共に生きる放送局

  • 奈良を伝える

    1300余年の歴史を持つ“古都・奈良”の地に建つNHK奈良放送局。最新のニュースを地域の方々へ伝えることはもちろん、長く愛され続ける奈良の歴史と文化を次の世代へと伝え続けることも奈良放送局の重要な役割であり、番組制作を支える環境の充実とともに、奈良らしさが強く感じられる建物を計画した。

  • 奈良に根差す

    1937年に開局して以来、地域の方々に親しまれてきた奈良放送局。
    これから先も地域の方々と共に歩んでいけるよう、奈良の風景に馴染む“質実剛健”な建物を目指した。
    建物の外装は校倉造りを想起させる水平で力強い形状を採用し、遮音性などを含め放送局として機能的な外装としている。また、鉄塔は華美な装飾に頼らず、構造や機能がそのまま形として表れるデザインとした。夕日に浮かぶ鉄塔のシルエットは、五重塔のように奈良らしい姿である。

  • 奈良を活性化させる

    市民への公開エリアであるハートプラザは、街区内の広場空間に大きく面するように配置し、建具を開放すれば広場と一体利用もでき、様々なイベントに対応できる計画とした。街区内で連携を行いながら、市民が気軽に訪れやすい設えとすることで、地域の活気に貢献したいと考えた。

  • 奈良を守る

    災害時、奈良放送局は市民と街を守る緊急災害報道の拠点となる。構造は基礎免震構造とし、放送施設として高い安全性を確保した。また、放送機能を維持するために自家発電設備から電源供給が行える計画としている。さらに、空調熱源の多重化(電気・ガス・油)や水蓄熱に加え、井水利用や緊急用汚水貯留槽を備えている。どんなときも地域を見守り続けられるよう、災害に強い放送局を実現している。

  • 放送局と久米設計

    各地へ正確な情報を迅速に提供し、人の命と暮らしを守ることが求められる放送局は、建物の高い安全性を確保する必要がある。久米設計の創設者である久米権九郎は、関東大震災の経験から「久米式耐震木構造」を考案し、デザインと技術を融合した安全性の高い建築を多く実現してきた。NHK奈良放送局においてもこの姿勢を貫き、奈良らしいデザインの追求と構造・環境技術が一体となった設計を行った。この先のNHK渋谷放送センターの計画においても強靭で安全性の高い放送局を提案し、実現へ向けて取り組んでいる(2021年現在)。

竣工年
2020年
所在地
奈良市三条大路
延床面積
4,715m²
階数
地上4階
構造
RC/一部SRC

NHK奈良放送局

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