旧社宅プロジェクトが新たな段階に進んだ。ついに入居者が決まり、それぞれが自分の部屋をカスタマイズするためにDIYを始めている。入居者との懇親イベントが行われ、その中でスタッフが自身の珪藻土DIYの経験について話したところ、入居者たちも興味を示し、みんなで地下スペースの壁に珪藻土を塗るDIYイベントを開催することになった。
珪藻土は吸湿効果があり、またプロジェクター投影面としても優れているため、壁一面にコテを使って塗ることにした。参加者のほとんどは初めての作業であったが、少しずつコツをつかみながら進めていった。床もしっかりと養生し、レンタルした左官道具を使ってコンクリート面に丁寧に塗り込んでいった。作業中や乾燥を待つ時間、そして完成後に利用する時間、すべてが一つのプロセスとして楽しめることを改めて実感した。パソコンのアップデートではただの待ち時間かもしれないが、住まいや暮らしのアップデートは、楽しみながら過ごす時間に変わる。これからの利用が楽しみである。
このようなDIYイベントを通じて、入居者とスタッフが一体となり、プロジェクトはさらに前進していく。住まい手と共に作り上げる新しい生活空間が、どのように進化していくのか、期待が膨らむ。これからも、久米設計の挑戦は続く。この小さな取り組みが、新しい建築、新しい設計を考えるきっかけとなることを期待している。