久米設計ではあらゆるジャンルの建築設計を行っていますが、
そこには創設者から脈々と受け継がれている3つのルーツがあります。
大規模エリアで複合施設などを建築する再開発事業において、久米設計は創業当初から現在に至るまで数多くの実績を重ねてきています。そこには、設計や企画開発も含めたワンストップの組織による課題解決力だけでなく、創設者・久米権九郎の設計思想が息づいています。建物の配置に変化を持たせ、外部や景観に表情を生み出し、住環境をより良くすることや、自然の地形に合わせ「土地から生えた」建築を目指し、等高線(コンタ)に逆らわない住棟配置など、「人が活きるまちづくり」の視点に立って様々な計画を行ってきました。近年の都市面開発においても、その思想を活かした表情豊かな開発を行っています。
日本は、台風、豪雨、洪水、噴火、巨大地震など、多くの自然災害に見舞われる国です。その国土に生きる設計会社として、「安全で安心なシェルター」をつくる使命と責任があります。さらに建築を資産と捉えれば、人命はもとより、その価値を維持するには、災害時・災害後でも安全に機能し続けることが重要です。そこで久米設計では、「LCB」(Life Continuity Building)という、プライベートブランドの建築設計基準を展開しています。「LCB」には、「建築物が壊れない・死なせない」、「非構造部材が壊れない、落下しない・けがをさせない」、「途絶したライフラインの中長期自立確保」という3 要素があります。
また、2011 年以降、久米設計で設計する全ての建築物に対して、建築基準法の想定を超え、耐震強度を原則「1.3」以上とする社内基準(建築基準法では1.0)を設けました。さらに庁舎や病院、学校、避難所など、機能継続が必須の建築には、耐震強度を「1.5」相当とし、「LCB ブランドビル」として設計しています。
LCBのカタログをダウンロード久米設計が最初に手掛けた有名なプロジェクトとしては、「軽井沢万平ホテル」や「日光金谷ホテル」、「河口湖富士屋ホテル」といった、リゾートホテルが多く挙げられます。一方、戦後になると集合住宅の設計など、人の暮らしに向き合うことで実績を築きましたが、どちらにも共通するのはホスピタリティーが求められる仕事ということ。時代の変化を捉え、人の暮らしと向き合い、癒しや快適さを第一に考える。ホスピタリティーを重んじた設計姿勢は、久米設計の今に続くDNA となっています。