大日本印刷のオフィス・工場を整備する大規模再開発プロジェクト。最大の特徴は、「市谷の杜」の創出である。古来よりこの地に自生していた植生を再現し、「武蔵野の雑木林」を復活させるというコンセプトのもと約2万㎡もの都市の森を創出する。オフィス環境の向上はもちろんのこと、地域レベルの環境創造であることを予感させる潤いの景観を形成すると共に、大気の浄化、温度上昇の抑制など、周辺地域の良質な環境資産となり次世代へ受け継がれていくことを期待している。建築の特徴は豊かな光環境の創出である。地上部のオフィスは自然光を最大限取り込む大きなガラス開口でありながら、日射による空調負荷の低減と断熱性能の向上を図り、自然換気も可能なダブルスキンシステムを採用した。地下部の工場には自然光を建物最下階まで導入できるような吹抜空間やドライエリアを計画し、自然採光が入り「地下」を感じさせないアメニティ性の高い環境を実現した。