国が実施する中央官庁街における最大規模のPFI事業であり、都市再生の中核プロジェクトである。江戸城内にあった敷地は、その一部に江戸城外堀を含んでおり、明治期には工部大学校などが置かれていた。昭和初期には文部省、会計検査院が立地し、以降中央官衙地区の一角に位置すると共に、中央官衙地区と民間業務地区との境界あるという特徴的な条件を有している。このような都市再生の観点における高いポテンシャルと歴史性を有するプロジェクトの設計に当たり、次の三つをデザインコンセプトとした。
Twin Tower:首都に相応しい景観の創造
霞が関ビルを含めた、超高層3棟のシルエットの調和、霞ヶ関ビルや旧文部省庁舎等の官庁街建物の特徴である陰影のある窓面デザインを踏襲し、周辺環境との連続性に配慮。
Landscape:緑の大地の創出
官庁軸と民間軸を明確化した中央広場の、豊かで快適な都市環境の創造を目指す。
Restoration:記憶の継承
江戸城外堀石垣遺構を保存・展示する外堀通り沿いをヒストリカルプロムナードとして、工部大学校碑や歴史を表現したパブリックアートを設置。また、旧文部省庁舎の保存、旧会計検査院庁舎の玄関扉・照明器具の再利用など、歴史の織りなす重層性をデザインする。