日本発の世界企業としてグローバルに展開する味の素グループの人材育成の拠点である。
グループ企業の研修活動を主たる機能としながらも、併設される図書・展示施設の一般利用者にも配慮した交流空間が求められていた。中央を縦断する吹き抜けは、階層毎に多様な研修スペースを公開共用部まで含めて一体化し、地階に至るまで自然光が取り込まれる空間全体を<研修の場>と捉えるプログラムである。
都心一等地の近隣住宅に対し開口を控えたファサードや視線/日射制御のルーバー等の構成は、各階で異なる空間機能に対応しており、その外観は方角に合わせて多様な表情を生み出し、住宅密集地の中で地域環境に調和する建築を目指している。
敷地はグループ創設者一族の旧自邸跡地であり、旧日本家屋の貴重部材や諸室は保存され、内装への利用や復元によって、目に触れる伝統の継承が意図されている。前面道路からも庭園を見通せるエントランスホールを中心に、企業内の人と人、企業と地域、歴史と現在を結んでいる。
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▷地下鉄シールド上部に建設する基礎免震建物