長崎みなとメディカルセンターは、狭隘な敷地での現地建て替えをいかに早く、ローコストに行うかをテーマにしたPFI事業であり、2つの市民病院を新たな高度急性医療施設として統合した病院である。「マグネットホスピタル」をコンセプトに、患者やスタッフだけでなく、地域の方々も惹きつける魅力的な病院づくりを目指した。長崎港景勝地に課せられた高さ規制をクリアするため、梁を無くしたマットスラブや外郭構造柱の採用により、病棟階高は3.2mを実現した。建物ボリュームの分節化や、グラデートされたシンプルな縦強調のファサードは、長崎特有の歴史・文化・景観との調和に配慮したものである。内部空間は、患者のスムーズな動線とスタッフ間連携の両立のため、3層吹抜けのエントランス空間「きびるプラザ」を起点に、明快なゾーニングで構成。海のラウンジやデイコーナー、屋上庭園など、患者のストレスを軽減するアメニティも充実整備している。
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▷災害拠点病院を支える省エネ設備の構築