雄大な山並みや稲穂の広がる田園風景に調和しながらも地域のシンボルとなるよう「雪洞(せつどう」のような丸みを帯びた建築デザインとした。特徴的な建築形態は、病院の部門毎に1つにまとめた角丸の箱の積層からなり、部門の規模や他部門との連携から位置と大きさが決定され、角丸の箱と箱の隙間が廊下として計画されている。患者をはじめとした利用者の拠点となるよう中央に3層吹抜のプラザを配置し、トップライトによる自然採光・自然換気により雪の多い北陸での屋内の快適性を高めた。患者が長い時間を過ごす病室や透析室の木質で優しく穏やかな環境に対し、情報が飛び交うスタッフエリアは医療系ラボのようなガラス張りのスタイリッシュで機能的なデザインにしている。シーンに応じた丁寧なデザインを行い、丸みを帯びた建築形態に加えて夜は安らぎと癒しの象徴としての照明が灯る、全体として「雪洞(ぼんぼり)」のような温かみのある建築とした。