本計画は、東日本大震災によって被災した旧庁舎の建替えに合わせ、防災拠点機能の充実、市民サービスの向上、分散していた庁舎機能の集約を柱とした「震災復興のシンボル」となる新庁舎を目指したものである。免震構造を採用するにあたり、ゲリラ豪雨の影響を受けやすい地下型免震ではなく、免震層を持たない1,2階間の天井内柱頭免震構造とした。併せて、安全性の高い天井計画として、荷重が軽いため落下しにくく膜天井工法と大梁に角スタッドを渡しボード下地を固定する剛性天井を採用した。設備計画はEVシャフトと階段室を利用したエコボイド自然換気システムや井戸水による予冷を活かした蓄熱層などの自然エネルギー設備に加え、タブレット無線調光システムや72時間の電力供給が可能な自家発電機も設置している。内外装計画は、震災復興から再出発する門出を祝うサクラをコンセプトにし、県産材や市産材の利活用とあわせて市庁舎を彩っている。