福岡を代表するイベント会場であるマリンメッセ福岡(A館)に対し新たにB館を増設する計画である。時代や規模、予算の異なる新旧の施設を統合すると共に周辺に賑わいを波及させ魅力的なウォーターフロントを創出する。新旧施設間に生み出される外部空間は開放的な膜屋根で包みこみ、単なる往来の場ではなく「マリンメッセテラス」と呼ばれる外部のイベント空間となっている。テラスに面するホワイエは全面ガラスファサードを持った吹抜空間とすることで、賑わいを外に伝える。ホワイエの柱は屋根荷重を支持すると同時に、外装マリオン材と兼用させた見付100mmの極細柱とすることで、ガラスと鉄骨による極めてシンプルなファサードを実現した。 平面計画は左右対称形とし極限まで単純化した構成としている。展示室の大きな気積の空調負荷を軽減するために、東西壁面を屋根と同材の折板によるダブルスキン状の外装で包み込んでいる。建築を構成する様々な要素を兼用させ絞り込むことによって、ローコストながらデザインと機能が両立する建築となるよう配慮した。