2つの既存キャンパスの中間に新設されたキャンパスの中核施設。
開学当初から連綿と取り組まれてきた外国語、国際化教育を象徴する実践的な学びの場を設けることが求められていた。
世界で活躍する人材を育む学びの場とはどうあるべきか。学びの風景そのものが象徴となるような施設の在り方を考えた。
グローバルに活躍する人材に求められる資質として、言語、宗教、習慣、価値観等が異なるチームをまとめ、課題を解決し、成果に結びつける力が挙げられる。その能力を育成する環境として、人が集まり、対話するときの形であるLINK(輪)形状のセミナー室からなる学習環境を提案した。正面性を無くし、求心性を高めることで、自由なデスクレイアウトを促し、誰しもが主体的に参加できる学びの場の醸成を目指した。
日本人が苦手とされる「人前で自分の考えを伝える」トレーニングには、常に「見る-見られる」環境に身を置き学ぶことが効果的である。LINKの周囲にできる大小様々な空間を“i-Lounge”と位置づけ、変化に富んだ自学自習の場とすることで、LINK内外を通じて多様な学習の風景が連続的につながり、利用者が互いに刺激を与え合う学習環境とした。
i-Loungeでは外国語運用能力の向上、異文化理解の教育と実践、留学相談等、様々な支援プログラムが提供される。英語を母語とする外国人講師が常駐し、留学を経験した学生が施設運営の中核的役割を担う。「多様な文化を体感できるイベントスペース」、「洋書に囲まれたリーディングスペース」、「その場では英語しか話してはいけない英語ラウンジ」など、グローバル教育を体現する実践的な場を随所に設けた。
2つの既存キャンパスをつなぐ動線に沿って、新キャンパスを通り抜けるコミュニティモールを設けている。モールに沿ってカフェや200人ホール、保存樹木を活かしたキャンパス広場等を整備した。キャンパス間の連携を強化し、誰でも日常的に訪れやすい「地域に開かれたキャンパス」を具現化している。